讃岐うどん基本編:店舗形態

店舗形態

讃岐うどんの店舗形態は大きく三つに分けられます。その形態によって、注文、配膳、勘定支払いの手順・方法が変わります。

一般店

他地域でのうどん店と同じ。
注文は店員から取りに来るので、身構えるようなことは特になく普通に振る舞えば良い。
会計はほとんど後払い。

セルフ

セルフサービスの略。
店員にメニュー(麺の状態)と玉数(→用語集)、熱いのか冷たいのか等を注文する。
自分でだしをかけたり、具を取ったり、時には自分で湯がいたりする。
食後は丼を所定の位置に返す。
薄利多売で多数の客を捌くことを前提にしているので会計は先払いが多い。

製麺所

食堂やスーパー、病院などへの卸を主体とする業者が食堂(食べる場所)を併設した形態。
業者といっても家庭内手工業的なところも多い。
注文以下の方法はセルフと同じ。
製麺業のついでという成り立ちが多く元々多数の客を想定していない。
それゆえ意外に認識されていないが会計は後払いが多い。

お土産うどん

讃岐うどん巡りやツアーのお土産にはなんといってもまずうどん。
うどん店で買えるお土産の種類をまとめましたので、目的に合わせて買っていきましょう。
うどん以外のお土産についてはリンク集を参考にどうぞ。(→お土産

生麺

基本的には店で茹でる前の麺と同じもの。
包装は簡素な場合が多い。
要冷蔵で長くても一週間と日持ちはしないが、家で同じものが食べられるのが魅力。
せっかく現地に行ったからには、これを買っておきたい。
日持ちが短くても失礼にならない、気のおけない人への贈答品にはズバリコレ。
クーラーバッグを持参すると風味が落ちない。(→ポケットデータ:名物一覧のお土産用生麺

準半生麺

2週間?1ヶ月程度と日持ちする生麺。
製造段階で加水率を調整したり、酒精や酸味料を添加して日持ちできるようにしたもの。
すぐには食べない場合はこちらを選択。
短い日持ちでは気が引けてしまう、気のおける人への贈答品にも。

買う側にしてみれば半生ともさして変わらないが、特に半生麺を製造する側の意向で作る側はそう呼ばない。
「純生うどん」と称して売られるのをしばしば目にするが、ここでは敢えて「準半生麺」とする。

半生麺

水分を多少飛ばした麺。
一度生麺として作ったものを冷風乾燥させる製法によって完成したものを特にこう呼ぶ。
常温で1?3ヶ月と日持ちがする。
すぐではなくかなり先に食べたい場合はこちらを選択。
日持ち2週間でも気が引けてしまう、さらに気のおける人への贈答品にも。
店によっては別の製麺業者などによる委託生産の場合もある。

だし、醤油

店で使用しているだしをパックしたものや、店特製のうどん用醤油。
店と同じものにこだわるならこちらも。
また醤油メーカーからも讃岐うどん用の醤油やだしが販売されている。直販店や小売店で。
(→ポケットデータ:だし醤油コレクション

お土産に讃岐うどんを買って帰る

持ち帰り用に売られるうどんとしては生麺と半生麺(※1)があり、
讃岐ではあらゆるところでお土産用に売られるのを目にします。
観光地などの土産物売場で売られるのは半生麺で、日持ちするのが特徴。
生麺はうどん店で売られていて、お店で出しているうどんと同じものが自宅で食べられるということ(※2)。

用途によっては半生麺も良いが、こだわるなら生麺をオススメします。
なかでも一度は体験したいのが製麺所で売ってくれる生麺。(※3)
生地の状態から麺にしてくれるところを見ることができます。

またしょうゆうどんに用いられる醤油もうどん店またはスーパーや醸造所で売られています。
持ち帰れば手軽に本場の味が味わえるのでこちらもオススメ。

※1 他にうどん店ではゆで麺もある。これはせいろに並べて飲食店等に配送したり、近所の人が自宅用に持ち帰るためのもので「玉売り」と呼ばれる。
※2 店によっては半生麺になったり、扱ってなかったりするので要確認。
※3 お店でもパッケージしてくれるが、重ねるのに適さない場合が多い。そこでオススメなのがジップロックコンテナ。角型中サイズで生麺400グラムは入ります。

■「某有名製麺所店主のうどん」について

パッケージには店主の写真、品名はズバリ製麺所店主のさぬきうどん。
サービスエリアや道の駅などをはじめ、各所で販売されるようになりました。
見かけたことのある方も多いと思います(実は近所のスーパーにも売ってました)。
このうどん、最近はネット通販を手がけるところの取り扱いが目立ってきており、
こういう動きに少なからず疑問を感じています。

まず第一。
この品は某有名製麺所店主が作ったものでも、その製麺所で作ったものでもありません。
某有名製麺所とは全く別のメーカーが作っています。
もちろん店主の許可や監修があっての製造であることは間違いないでしょう。(※)
しかしそのようなことはパッケージには明記されておりません。

そして第二に、この品は半生麺で製麺工場で大量生産されるものです。
半生麺は基本的に生うどんとは別物です。
うどんで肝心なその食感を半生麺で再現するのはとても難しいです。
食べたことのある方なら分かると思いますが生うどんと半生うどんは別物なのです。

このような明記・明示をせず、
あたかも「お店で食べるうどんと全く同じもの」「お店で作ったもの」
と誤解されかねない形での販売が横行するのはいかがなものかと思います。

うどん店のお土産うどんとして半生うどんを売るところはたくさんあります。
そういうところは仮に明示してなくても「そのお店で買った」という納得感は得られるはずです。
本記事は半生うどん自体の否定ではありません。
ここをご覧になられて購入される方は、上記のようなことを納得ずみで購入いただければと思います。
(2007年11月24日追記)

(※)原料小麦粉は同じもの(ただしこの品に関しては特筆すべき点ではない)のようですし、
製造にあたって店主の監修もあるものと思われます。