讃岐うどん店で主に出てくるメニューを「だしの種類」別にまとめました。
釜あげ状態の麺を使うものに関しては「釜あげ系」として別掲もしてあります。
前述の「麺の状態」「だしの種類」をご覧になられると、より理解できるかと思います。
また「讃岐うどん巡り体験コラム:002」でも各メニューについて考察してますので併せて御覧ください。
メニューの説明 | メニューの解説 |
---|---|
めん/ダシ | つけだし | ぶっかけだし | かけだし(熱い) | かけだし(冷) |
---|---|---|---|---|
釜あげ | 釜あげ | 釜ぶっかけ (湯ぬきぶっかけ) |
釜かけ | 釜かけ |
水締め | ざる | ぶっかけ | ひやあつ そのままかけ ぬるいかけ |
ひやひや つめたいかけ |
再加熱 | 湯だめ | ぶっかけ | あつあつ あついかけ かけ |
あつひや |
再冷却 | 冷やし | なし | なし | なし |
めん/ダシ | だし(冷) | だし(熱い) |
---|---|---|
冷たい | ひやひや | ひやあつ(かけ・そのまま) |
熱い | あつひや | あつあつ(かけ) |
ぶっかけうどん
水で締めたうどんに「ぶっかけだし」をかける。 |
釜あげぶっかけ(湯ぬきぶっかけ)
釜あげ状態のうどんに「ぶっかけだし」をかける。「釜あげうどん」から茹で汁に代わってぶっかけだしがかかるので「湯ぬきぶっかけ」とも。 |
釜あげうどん
釜あげ状態のうどんを茹で汁に浸し、「つけだし」につけて食べる。 |
たらいうどん
大勢で食べる釜あげうどん。その名の通りたらいに入って出てくる。 |
湯だめうどん
水で締めた状態のうどんをお湯に浸し、「つけだし」につけて食べる。 |
冷やしうどん
水で締めた状態のうどんを氷水に浸し、「つけだし」につけて食べる。冷たいかけうどんのことではない。 |
ざるうどん
水で締めた出来たてのうどんを「つけだし」につけて食べる。 |
冷やしたらいうどん
大勢で食べる冷やしうどん。たらいに入って出てくる。 |
醤油うどん(素朴タイプ)
生醤油、醤油、生じょうゆ等、表記と味に微妙な差があるが、いずれも醤油をかけて食べる。 |
しょうゆうどん(洗練タイプ)
「生しょうゆ」「だし醤油」などの特製醤油をかけて食べる。 |
おろしうどん
大根おろしが乗っている時の呼び方の一つ。「しょうゆうどん」と同じ。ぶっかけだしだと「おろしぶっかけ」。 |
釜あげうどん
釜あげ状態のうどんを茹で汁に浸し、「つけだし」につけて食べる。 |
釜かけ
釜あげ状態のうどんに、「かけだし」をかけたもの。 |
たらいうどん
大勢で食べる釜あげうどん。その名の通りたらいに入って出てくる。 |
釜玉
溶き卵が入ったどんぶりに釜あげ状態のうどんを絡め、「かけだし」や醤油をかける。 |
釜あげぶっかけ(湯ぬきぶっかけ)
釜あげ状態のうどんに「ぶっかけだし」をかける。 |
うちこみ、しっぽくについては用語のページ参照。(→用語集)
しっぽくは讃岐の冬の風物詩でもあり一度体験するのもいいでしょう。
700軒もある讃岐うどんのお店。
お店によって、基本メニューの他に趣向をこらした色々な品があります。
余裕があったら、それらのメニューの味も楽しんでみたいものです。
麺に何かを練り混んであるもの。
コーヒーうどん
(スタート) |
わかめうどん
(わかめうどん大島、大島製麺) |
ぐりーんしこ麺
(百こ萬) |
赤しこ麺
(百こ萬) |
トッピングが強烈な味を出しているもの。
釜玉めんたい
(こがね製麺所) |
チーズ釜玉
(つる一) |
和風・洋風・中華風など他の料理にアレンジして一品に仕上げたもの。
雑煮うどん
(元祖かなくま餅福田) |
海老のサラダのアーモンドソースぶっかけ・はまぐりのニンニクバターうどん
(明水亭) |
ちゃんぽんうどん
(うどん棒、若鮎、和香松) |
ジャジャ麺
(さぬき一番一宮店) |
湯に浸して出てくる点では「釜あげ」も「湯だめ」も同じ。
「湯だめ」の方が手間がかかってるようですが、水で締める作業はいわば大量生産工程の一つで、
むしろ客の注文に合わせて茹でたり釜から揚げなければならない「釜あげ」の方が手間がかかります。
ゆえに現代讃岐うどん店での「湯だめ」は「釜あげ」の廉価版扱いが主流です。
両者の各店の扱い方をパターン分けすると以下のようになります。
「中村」はパターン(3)。他では「灸まんうどん」が一般店時代に採用していた方式です。
「中村」の場合、客の注文ペースにピッタリ合わせて麺茹でを行うことと、
開店から客がとぎれることがないという状況から、
メニューには「湯だめ」と書いてありますが、実際は「釜あげ」が出てくることになるということです。
締めてすぐの麺でつくる「湯だめ」は美味しいです。
とはいえ讃岐うどん巡りでは当たりはずれのある「湯だめ」より「釜あげ」を注文するのが無難でしょう。
ちなみに歴史的には「湯だめ」の方が先。
農家の人がうどん玉を買ってきて自分で湯に浸して手軽に昼食としていたというのがルーツ。
「釜あげ」という食べ方は「湯だめ」を水で締めずに食べるという発想で存在していたようです。
まさにコロンブスの卵的発想ですね。
讃岐うどんの食感を十二分に堪能するには冷たい麺で味わうに限ります。
湯がいてしまうと麺が伸び気味になってしまい食感を堪能できません。
そこでひとつ覚えておきたいのは「ひやあつ」で食べると言うこと。
ひやあつなら熱いだしがかかるのでうどんの香り、だしの香りも楽しめます。
麺の食感だけなら「ひやひや」でもよいですが、夏場以外だと冷たいだしを用意してない店も多いです。
また「ひやあつ」などという呼び方をするのは讃岐うどん店全体のごく一部。
そこでなんとしても「ひやあつ」を食べるための方法をここに伝授します。
(1)麺の状態を聞いている
この場合は通常「ひやひや」「ひやあつ」「あつあつ」の三つから選べる。
(2)最終的なうどんの状態を聞いている
この場合は通常「ひやひや」「あつあつ」の二つからえらべる。
(1)は自分でだしをけけるパターン。
冷たい麺をもらって熱いだしをかければいいので「ひやあつ」ができる。
(2)は店の人がだしをかけるパターン。
「熱い」なら麺を湯がいて熱いだし。「冷たい」なら冷たい麺に冷たいだしになってしまいます。
冷たいだしがなければ「かけ」と言った瞬間「あつあつ」確定です。
この二つを判別するには、
自分でだしをかけるかどうか、だしをかける設備があるかを判別すればいいです。
少なくとも自分で湯がくシステムなら間違いなく自分でだしをかける店であり「ひやあつ」ができます。
では店の人がだしをかけるパターンならどうすれば良いか…。
通常水で締められた麺は、せいろに並べる・客の注文に応じて出すが繰り返されます。
そのせいろにある麺を「湯通しせずにそのままちょうだい」という意味を略したのが「そのまま」です。
地元常連客になるとかけまで略して「そのまま大」などと注文する人もいます。
「かけ小そのままで」「そのままかけ小」という注文法をマスターしましょう。
※「そのまま」で通じない場合は「ぬるめ」「湯がかずに」「冷たいうどんに温かいだし」などの注文で。
「おすすめの讃岐うどん店」の各店紹介に「ひやあつ」の注文方法を記載しました。
注文のシステムや店内の状況・雰囲気の要素と管理人ごまによる店での実体験を踏まえたものです。
ただし絶対の成功を約束するものではありません。悪しからず。