讃岐うどん巡り体験コラム:003
メニューの細かい違い
基本的なメニューをこれまでに説明しましたが、厳格に定義されてるわけではないので店によって微妙な違いがあったりします。
例えば…
水で締める前の、最初に茹で上がった状態の麺が「釜あげ状態」で、その状態の代表的メニューが「釜あげうどん」。
略すとどちらも「釜あげ」なので時に注意が必要。
例えば坂出の「G」で「釜あげ」といえば「釜あげ状態」で食べるかけうどん。
他地域で冷たいかけうどんを意味する「冷やしうどん」は氷水に浸かったつけうどん。
でも善通寺の「N」では水に浸かってないただのつけうどんです。
観音寺の「T」という店。
ここでは釜玉のことを「黄金(こがね)うどん」と言います。
注文すると「ホット? 冷や?」と聞かれます(冷やはひやたま)。
片方が英語…。
さらには「特製しょうゆうどん」を注文すると何故か「大根うどんね」とメニューのどこにもない品名に訂正されます。
メニューに書いてある通りに注文してるのに?
天ぷらベスト3
地元の讃岐うどんは昼食文化。
うどんに何かサイドメニューをトッピングしてメニューの完成です。
サイドメニューには天ぷら・フライなどの揚げ物系、丸天・棒天などの練り物系、おにぎり・いなりなどのご飯系があります。
軒数をまわる讃岐うどん巡りとはいえ、これらトッピングを少しずつでも楽しみたいもの。
特におすすめはやはり天ぷら。
讃岐うどん独特の天ぷらベスト3といえば
3位「ゲソ天」。有名店Mに卸している仕出し専門の天ぷら屋製がよく知られます。
2位「ゆで卵天」。有名店Tの実演天ぷらで有名に。取り入れる店が増えました。ゆで卵は半熟。
1位「ちくわ天」天ぷらにおける讃岐うどんの代名詞と言っても過言ではありません。ちくわを揚げるとこんなに美味い。
ちなみに当サイトでは便宜上トッピングと呼称してますが、地元ではフライも練り物も「天ぷら」で通じます。
自己申告の後払い店に行くと分かります。
例えば「かけうどんの小」に揚げ物1・練り物1で食べたとすると「小・天ぷら2つ」OKです。
お土産うどん
讃岐うどん巡りのお土産にはなんといってもうどん。
持ち帰り用に売られるうどんとしては生麺と半生麺があり、観光地などの土産物売場で売られるのは半生麺で日持ちするのが特徴。
生麺はうどん店で売られていて、お店で出しているうどんを自宅で食べられるのでおすすめです(店によっては半生麺になったり扱ってなかったりするので要確認)。
ところで半生麺というのは、いったん生麺状のものを製麺し乾燥させて水分をある程度飛ばしたものを指します。
製麺段階で加水率を調整する方法もありますが、こちらは半生麺のメーカーに配慮してかそうは呼びません(当サイトでは便宜上「準半生麺」と呼称)。
この半生麺、「I」という工場見学をさせてくれるメーカーに行くと驚き。
生麺を棒につるした状態(素麺作りで見かけるような感じ)で乾燥室をゆっくり進んでいきます。
原始的な方法を近代的な機械化で行っていて面白いです。
機械か手打ちか
ある方から頂いた疑問です。
要約すると「香川県外の某讃岐うどんの店によく行くのですが、手打ちなのに讃岐の名店ほど美味しくない。味が違うのはなぜ?」。
讃岐うどんと一口に言っても店によって味や食感は色々あって違うというのがまず一つあって、これは香川県内でも言えることです。
そして更に言えるのは「手打ち」の定義。
麺作りの工程は「生地の成型」「練り・足ふみ」「麺打ち・麺切り」といった三つに大きく分かれます。
現在それらは全て機械化することが可能となってます。
どの工程までを機械化するか或いは全て手作業で行うかといった違いでも出来上がりのうどんに差は生まれます。
一般に「手打ちうどん」というと最初から最後まで全て手作業によって作られたものと考えると思います。
ところが讃岐うどんの場合、麺打ち以降のみが手作業でも「手打ち」と銘打つことが珍しくなく、その差異による違いが疑問を産む要因ともなってます。
それを踏まえてか香川県内では最初から最後まで手作業の店では「純手打ち」「本手打ち」「本格手打ち」といった呼称をつけていることもあります。
では「手打ち」は必ず機械を入れているかというとそうは限りませんし、機械を一切使わないのに「手打ち」とも銘打ってない店もあります。
もっと言えばオール手作業なら必ずしも一部機械のうどんに勝るとは限りません。
その辺り食べる側としてもあまりこだわりすぎてはいけないと心得ましょう。